いろいろな観光地に行くと、素晴らしい神社やお寺がたくさんあります。もちろん教会やモスクなど宗教に関わる素晴らしい施設は、世界中に、全国各地にあります。
そういった場所を訪れるのも旅行の楽しみでしょう。
しかし、よく考えてみて下さい。そこはそもそも観光施設として作られたものなんでしょうか。
思いの詰まった宗教施設
現代の価値で考えると、小さなお寺でも新築すれば億は下りません。私がお預かりさせて頂いているお寺は、国や県などに指定されているお寺ではなく、ごく一般的なお寺ですが、数年前本堂の屋根瓦替え等に何千万円もの浄財が使われました。
宗教施設の新築や維持にはとてもお金がかかるものです。なのに、長きに渡ってそれらの施設が維持されてきたということは、たくさんの人の思いが詰まっている施設だからです。
思いを巡らせてみてください
その宗教を、その施設を大切に思い、その思いを持たれた祖父母や親の姿を思い、脈々と大切にされてきたからこそ、今私たちが見ることができるのです。
私たちがそこを訪れるとき、特に観光の場合はそこが宗教施設であることを忘れてはいないでしょうか。
昔の話ではなく、今もその施設を宗教施設として敬い、大切に思われている方がいらっしゃることを忘れていないでしょうか。SNS映えという言葉が流行り、素晴らしい景観の前でお写真を撮って投稿したいという気持ちも分かりますが、宗教施設においては本来の目的である宗教を邪魔していないだろうか、町並みならそこに住んでいらっしゃる方のお邪魔になっていないだろうか、高い配慮が必要とされるものなんだろうと思います。
宗教施設に入るときは一礼を
私は宗教施設に入るときは一礼することをお勧めします。その宗教施設をこれまで維持されてこられた先人の方々への敬意、またその宗教を今も大切に思われている方々への配慮、この二つの心を私たちが表す一つとして、私は宗教施設に入るときは一礼することをお勧めします。