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墓じまい

最近「墓じまい」という言葉を聞きます。個人でのお墓をしまって、合同の墓地や散骨などに変更されることです。宗教界でも「墓じまい」についての是非は様々ですが、私は問題ないと思っています。

お墓の歴史

そもそも埋葬の文化は縄文時代からあったとされていますが、現在のような形のお墓は江戸時代頃からと言われています。そんなに昔からではないんですね。

遠方のお墓

お骨に関する考え方も自由であるべきだと思います。大切なのは、故人を思う心です。「遠方にお墓があり、荒れているのは容易に想像がつく。気になって仕方がない。」という状況はよくありますが、そのストレスを抱えるくらいなら解決すべきです。もちろんお金のかかることなのでおいそれとはいきませんが、現在では様々な手段があり、費用を抑えることも可能です。

どこに納骨?

私は僧侶として様々な墓地に赴きましたが、管理会社が変わっていて荒れ果てていたり、管理会社そのものが倒産していたりということも珍しくありません。墓地を営利で販売している会社は利益がでないと手を引きます。これは当たり前のことです。会社自体が100年で老舗と言われますが、お寺はその何倍もの時間、たくさんの方に支えられ護られてきました。その点よくよくお考え下さい。

ただ、会社が販売している物は利便性が高かったり、綺麗だったり、ニーズに応えている場合が多いので、そこは管理するものの信頼性と天秤で比較されたらいいと思います。

いろいろな考え方

私の母方の両親、祖父は母が高校生の時に、祖母は母が26歳の時に亡くなっています。母は一人っ子だったので、遠方の実家のあった町にお墓だけが残っていました。親戚の方々がお墓を護って下さっていたのですが、亡くなったり高齢だったりで維持が難しくなりました。そこで実家のあった町のお寺さんにお願いして墓じまいし、お骨はそのお寺の合葬墓へ納骨させて頂きました。その際に、母は両親のお骨を少しずつ持ち帰り、小さな骨壺に入れ今も自室に安置しています。「その遺骨はどうするの?」と聞くと、私が亡くなったら自分の遺骨と一緒にしてくれと言いました。

私はなるほどと思いました。そうすれば大切な両親と一緒にお墓に入ることができるのです。母の両親に対する思いを垣間見た気がしました。

変わっていく埋葬方法

時代と共に埋葬方法は変わっていくものだと思います。今までもそうでした。過去には現在の価値観で判断すると遺骨を捨てているとも取れる時代もありました。

今では様々な埋葬方法があります。海や樹木、宇宙など多様化しています。

埋葬方法は残されたご遺族の価値観によって決められるもので、他人に否定されるものではありません。過去や現在のお墓事情に流されず、故人と私の観点からご検討ください。
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