「挨拶」とは私たちが日常的に使う言葉の一つです。
子どもの頃には、「挨拶をしなさい。」と言われたもんです。
日が落ちてから飲み屋に向かう道中、高校球児に大声で挨拶されてびっくりすることもあります。
そんな「挨拶」ですが、最近は田舎でも挨拶しなくなりました。
私は登山するのですが、登山は挨拶が盛んです。もちろん自らの存在を示し、危険を回避する目的もあるのですがとても気持ちがいいです。
そんなことはさておき、「挨拶」について考えてみましょう。
言葉そのものの意味
「挨拶」という言葉を大辞泉で引いてみますと、
①人に会ったときや別れるときなどに取り交わす礼にかなった動作や言葉。「挨拶を交わす」「時候の挨拶」
②会合の席や集会で、改まって祝意や謝意などを述べること。また、その言葉。「来賓が挨拶する」
③相手に対して敬意や謝意などを表すこと。また、その動作や言葉。「転勤の挨拶」「なんの挨拶もない」
④ (「御挨拶」の形で)相手の非礼な言葉や態度を皮肉っていう語。「これは御挨拶だね」
⑤やくざや不良仲間で、仕返しをいう語。
⑥争い事の中に立って仲裁すること。また、その人。「挨拶は時の氏神」
⑦応答のしかた。口のきき方。
⑧人と人との間柄。仲。
⑤がとても興味深いですね(笑)
「挨拶」の語源
大辞泉には冒頭に「「挨」は押す、「拶」は迫る意で、本来、禅家で門下の僧に押し問答して、その悟りの深浅を試すこと」と書かれています。
「押し迫る」というところから、もともとは前にあるものを押しのけて進み出ることを言います。
禅家では「一挨一拶(いちあいいっさつ)」といって、師匠が門下の僧に、又は修行僧同士が、軽く又は強く、言葉や動作でその悟りの深浅を試すことがあります。これが挨拶です。
そこから転じて現代では、優しく応答とか返礼、儀礼や親愛の言葉として使われるようになったそうです。
様々な挨拶
私たちは日常生活の中でたくさんの挨拶を使用します。
おはよう(お早う) 自分より先にいらっしゃった方に対して後から来た人が言う挨拶です。「お早うお越しですね」と声を掛けたことが始まりとされます。「元気そうでなによりです」という思いも含まれていますね。
ありがとう(有り難う) 有り難しがウ音便化したものです。「めったにないこと」という言葉には、感謝の意味が奥深く含まれていますね。
いただきます(頂きます) 目上の人から何かをもらったり、神仏のお供え物をおさがりとして受ける際に使われていました。大切な物を頂戴するという大切な意味が含まれていますね。
大切な挨拶
挨拶は人間関係においてとても大切なものです。ご家族でお子様と共に今一度挨拶の意味をお考えになるのもよいのではないでしょうか。