妙寂寺ではお寺でのご法事をお勧めしております。その理由はたくさんの先人の方々が大切に護ってこられたご本堂でご法事をお勤めさせて頂くことは大変意義深いことだと思うからです。もちろんおうちのお仏壇も大切ですので、日々のお勤めやお盆参り・家庭報恩講をお勤め頂くと素晴らしいと思います。
さて、お寺でご法事される際にお越し頂いた皆様、特にご親戚の方々に浄土真宗の作法をお伝えできないかと考え、サイネージを作ることにしました。
ご法事に来られた際に、先ずは私が皆様にご挨拶させて頂き、今日のご法事のご縁になっている故人のお名前等を確認させていただいています。その後に、内陣に上がり、蝋燭を点したり、香を焚かせていただきます。その時間が3分程度なのですが、その時間にサイネージで作法の動画を流すことにしました。
私が頭の中で考えた物は次のような物でした。
スイッチを入れるとテレビがつき、ご法事の意義や作法を動画で流して、テレビの電源をオフにする。
これを実現させるためにはパソコンが必要です。大きなパソコンでは無駄なので、この度は「Raspberry Pi 4 Model B」を購入しました。
「Raspberry Pi」(以下ラズパイ)は、学校教育用に開発された超小型のコンピュータです。LinuxなどのOSをインストールして使用します。この度テレビの裏に設置しました。こんな感じです。大きさはタバコの箱くらいをイメージしていただければいいと思います。あ、ケースのペリペリを剥がすのを忘れております。
そしてラズパイには電源ボタンがありませんので、電源ボタンの為に拡張ボード「Ras p-On」を購入し取り付け。これはボタン電池が搭載されており、電源オフでも現在時刻が正しく刻まれます。しかし、ケースに入らなくなってしまったので、以下の物を購入し無理矢理ケースっぽい感じに。
テレビにはタイラップで固定して完成です。
では、実際にどのような作業をしたか備忘録を兼ねて書いておきたいと思います。
- ラズパイに「Raspberry Pi OS」をインストール
- 初期ユーザーの「pi」とは別のユーザーを作成し、権限等を付与。オートログインユーザーを変更。「pi」ユーザーを無効に。(セキュリティー的に)
- rootへパスワードを設定する。(セキュリティー的に)
- VNCとSSHを許可(遠隔操作の為)
- Ras p-On関連のソフトウェアをインストール。時刻合わせ。
- sambaのインストールと設定。画像や動画の保存用フォルダの作成と権限設定。(Windowsからネットワーク経由でファイルアクセスする為)
- 画面スリープを無効に。
- unclutterインストール。(マウスカーソルを消す)
- 動画再生や電源関連のスクリプトを書く。
- 書いたスクリプトを起動時に自動実行するように設定。
以上です。参考までにスクリプトを書いておきます。
#!/bin/sh
unclutter -idle 0.1 -root
echo 'on 0' | cec-client -s
sleep 5
omxplayer --refresh -o both 動画ファイルのアドレス
echo 'standby 0' | cec-client -s
sleep 5
shutdown -h now
これで当初の目論見通り、スイッチで電源をオンにすると、テレビもつき、動画が流れ、テレビをオフにし、ラズパイをシャットダウンまでを全て自動でできるようになりました。皆様に分かりやすいお寺を目指して今後も邁進して参ります。ご意見等ありましたらまたお寄せください。
技術的なご質問にはお答えいたしません。ウェブにはたくさんの情報があるので探してみてください。